インターンについて(完)

さて前回の続きです。インターン先企業に午前8時半には到着し、そのまま社長から今回のインターンについて、この会社で働く上での心得について説明を受けました。

まず、ホームページにはインターンに日給が払われると書いてありましたが、今回は違う事業を立ち上げるので報酬は無しになったとのことでした。また会社で一番えらいのは株主だが、この会社は社長の全額出資で設立しているので俺が一番えらい、だから歯向かうなとのことでした。なるほど、論理的だなぁと思いました。さらに社長の簡単な経歴についても説明を受けました。大学を卒業後は日サロマシーンを販売していたこと、その後は光通○にうつり営業のカリスマとして子会社の社長を任されていたこと、そして光○信のノウハウと人脈を生かしこの会社を設立したことなどです。

朝礼前に他のインターン生に自己紹介し、今日の朝礼担当者が当日の自己目標を発表。その後は力の限り大声で社訓を読み上げます。社員は株主(社長)に貢献すること、などが書かれています。声が小さいと社長に怒られます。命がけです。

そんなこんなで業務開始です。特定の恐れがあるので詳細は省きますがとにかくそれっぽい企業を電話帳、ネットでリストアップ、テレアポが主な業務でした。また実際に相手先の企業を訪問して契約を取ることまでもインターン生の仕事でした。

テレアポは過酷な業務です。かけた先の営業マンから電話が下手だと説教されたり、何だお前とか死ねとか言われます。まあこんなわけわかんない会社からの電話で時間をとられるんだからこの反応は当たり前だと思いますが。あとテレアポに失敗してちょっとでもため息をつくと社長から怒鳴られます。後ろに座って監視してます。舌打ちします。やめてほしいです。機嫌が悪いと午前中のテレアポノルマ100件それまで昼食とるなとか今日中に5件契約成立させろとか言われます。めちゃくちゃ怖いです。

私がはじめて契約を取れたのが健康グッズ販売会社です。主力商品は遠赤外線布団、そして浄水器でした。早稲田大学の近くだった気がします。当時は8月も初頭、真夏の蒸し暑い日でしたがいきなり布団をかぶせられどうです?暖かいでしょう?と言われました。確かに暖かいです。というかクソ暑いです。なんでも12種類の鉱石が配合されている特殊な糸を使っているため暖かくなるらしいのです。とにかくこいつをどけてくれと思いました。浄水器でろ過された水を飲みましたが適当な感想が思いつかず「水、ですねぇ~」と言ったら相手方もでしょう!?と上機嫌になりとんとん拍子で商談は進み、契約に漕ぎ着けることが出来ました。つらいつらいインターンでしたが、契約がとれたあと出先から電話で社長に報告するとき、この一瞬だけは報われた、そんな感じがしたのでした。

一日のスケジュールは午前はテレアポ、午後は商談、夜89時ごろに会社を出るという感じでした。毎日疲れ果ててゆりかもめを新橋駅で折り返し、首垢のつきまくったYシャツを洗濯機にブチ込んで就寝という生活が1週間続きました。

大学二年生の私の精神はもうボロボロでした。せめて、せめてわずかでも日給が支払われるならガマンできたのですが。会社に行きたくなさすぎて毎朝ゆりかもめ新橋駅トイレで30分くらい篭るほど会社に行きたくなくなっていました。金曜日に私が会社に来て1週間の歓迎会が行われましたが死んだ魚の目で2時間耐え切り、その次の月曜日私はウイルス性胃腸炎になった、だからもう辞めるとメールで連絡しました。(もちろん仮病です)20件ほど不在着信(伝言)がきましたが怖くて自分では聞いてません。怖すぎて母親に聞いてもらったところ機密資料を返せとのことでした。今でもこの資料は私の家で厳重に保管されています。

コメント

  1. ブログもツイートもいつも楽しく読んでいます。
    これからも応援していますね。
    お大事に。

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